周囲と馴染みながらも悠々とした存在感
4mの崖のうえから迫り出るその建物の出で立ちは、静かに周囲と馴染みながら悠々とした存在感を放ちながらそびえ立っています。
現在建っている場所は、計画開始時には候補にもあがらなかった土地でした。
物置が建っていたその土地を建築地として見つけ出し、いくつもの関門を乗り越えた末に、ようやく着工することができました。
土地の状況と条件により、着工に至るまでの申請は厳しい場合もありますが、難しいからこそ挑みたくなるのが技術者の性です。
完成をむかえるまでに様々な物語がうまれた、思い入れのある建物となりました。
高台に建つその家は、都内とは思えない絶景でリビングダイニングに感動と心地よさを演出しています。
外部環境を上手に生かすことは、これから始まる生活に四季の彩りを与えてくれます。
キッチンに立つ奥様の目線にも入る木々の緑は、家事の合間にちょっとホッとできる瞬間をつくってくれるかもしれません。
壁の厚みを利用した”床の間風座敷飾り”は、4.5畳の和室で視線が集まる場所になりました。
これから掛け軸をかけることで、ぐっと引き締まる部屋となります。
バルコニー外壁部にある小校張りは、左官の外壁のアクセントとなり、新緑の木々のなかでとてもよい存在感があります。
設計:(株)結設計